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「冬は試合もないし、何を練習させればいいんだろう」——寒くなると、保護者の方からよく聞かれる質問です。内野守備のパーソナルコーチとして子どもたちを見てきて、はっきり言えることがあります。春の守備の差は、冬の過ごし方でほぼ決まります。
結論:冬は「1に基本、2に基本、3に基本」。ただし「捕るだけ」で終わらせないこと
春に伸びる子は、冬にゴロを数多く捕った子ではありません。足の速いランナーをイメージして、「アウトにする」までの一連の流れを基本として繰り返した子です。
高校時代の冬は「1に基本、2に基本、3に基本」だった
私は高校時代、甲子園を目指すチームで冬を過ごしました。その冬にやっていたのは、特別な練習ではありません。1に基本、2に基本、3に基本。とことん基礎・基本の練習を繰り返していました。
同じ練習をしている中で、ほかのメンバーに差をつけるために私が心がけていたのは、基本に必要な動きすべてで、誰にも負けないことでした。足運び一つにしても、ボールまでのスピード一つにしても、です。
「遅いゴロ」ほど、考えることが多い
特にこだわっていたのが、手で転がすような遅いゴロです。遅いゴロは簡単そうに見えますが、実は考えることが山ほどあります。
- どこまでトップスピードで走るか
- どのタイミングで動きを止めて、ボールをよく見るか
- 捕った後、ランナーをアウトにするためにどんな足運びをするのが一番速いか
これを1球1球考えながら練習していました。同じ本数のゴロでも、考えて捕る1球と、ただ捕る1球では、身につくものがまったく違います。
春に伸びた子は、冬に何をしていたか
指導の現場で冬を越えた子どもたちを見てきて、はっきりした違いがあります。
冬にゴロを数多く捕ってきた子よりも、「足の速いランナーをイメージして、そのランナーをアウトにする」意識で動きを練習した子のほうが、春には伸びていました。
試合で求められるのは「捕ること」ではなく「アウトにすること」です。捕るだけの練習を何百球繰り返しても、捕ってから投げるまでの流れは身につきません。
⚾ 冬の守備練習のポイント
- 捕るだけで終わらせず、可能な限り送球まで入れる
- 「捕球 → 足運び → 送球」を一連の流れで練習する
- 頭の中に足の速いランナーを置いて、アウトにする意識で動く
家でできる具体的なメニューは、こちらの記事にまとめています。
→ 少年野球の守備練習5選【自宅でできる】
→ 1人でもゴロ練習ができる壁当てネットの選び方
冬こそ「トレーニンググラブ」が効く
冬の基本練習で、私が勧めているのが小さいトレーニンググラブです。
小さいグラブには、守備の要素が凝縮されている
トレーニンググラブは捕球面の範囲が狭いので、ボールをポケットの芯で捕らないと捕れません。ここから、守備に必要なことが次々につながっていきます。
- 芯で捕るために、バウンドを合わせないといけない
- バウンドを合わせるために、足を運ばないといけない
- 足を運ぶために、一歩目を速くしないといけない
普通のグラブならごまかせていた部分が、小さいグラブではごまかせません。だからこそ、基本の動きが身につきます。
ただし「試合のない冬」に使う理由がある
注意点もあります。小さいグラブに慣れすぎると、自分のグラブに戻したときに感覚の違いで捕球ミスや握り替えミスが起きやすくなります。
だから、試合や大会がない冬の練習にこそ向いています。春の大会が近づいたら、自分のグラブでの練習に戻して感覚を合わせましょう。
🧤 守備コーチが勧めるトレーニンググラブ
久保田スラッガー トレーニンググローブ KSG-PROB(硬式・軟式兼用)
捕球面が小さく、ポケットの芯で捕る感覚を身につけるための練習用グラブです。小学生の手にも合います。
※価格や在庫は時期によって変わります。購入前に販売ページでご確認ください。
冬に「やる気」を落とさない方法
スポーツメンタルトレーナーとして見ていると、冬はやる気が落ちやすい時期です。理由は主に2つあります。
- 試合や大会がなく、自分の成長を測る機会が少ない
- 練習がきつくなる
1週間ごとの目標で「できた」を味わわせる
冬こそ、1週間ごとなどの短いスパンで目標を立て、成功体験や達成の喜びを味わわせてあげてください。
おすすめは、数字として表れやすい目標です。
- 守備範囲:左右に何歩まで追いついて捕れるか
- 捕ってから投げるまでの速さ:スマホのストップウォッチで測る
数字で「先週より速くなった」が見えると、試合がない冬でもやる気を保ちやすくなります。
「やらされる練習」より「ゲーム感覚」
冬場は特に、やらされる練習ではなく、ゲーム感覚・遊び感覚で取り組ませることが大切です。「捕ってから投げるまで、パパより速くできるか勝負」のように、楽しみながら基本を繰り返せる工夫をしてみてください。
冬の練習で気をつけたい2つのこと
① ウォーミングアップは十分に
冬は体が冷えています。筋肉が固まって縮こまっている状態で、急に強い衝撃を与えると、肉離れにつながりやすくなります。いきなり全力で送球したり、ダッシュしたりせず、十分に体を温めてから練習を始めましょう。
② 冬でも水分補給を忘れずに
冬は喉の渇きを感じにくくなるため、実は脱水症状になる可能性が隠れています。「寒いから大丈夫」ではなく、練習の合間に十分な水分補給をさせてください。
冬こそ、動きを「個別に」見てもらう時期
ここまで書いてきた「アウトにするまでの一連の流れ」は、一人ひとり課題が違います。足運びが遅い子、止まるタイミングが早すぎる子、捕ってから持ち替えるまでに時間がかかる子——。
チーム練習では、そこまで一人ひとりの動きを見てもらう時間はなかなか取れません。試合がなく、基本をじっくり固められる冬は、個別に動きを見てもらうのに向いた時期です。
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📖 あわせて読みたい:甲子園選手と守備レッスンをして分かった、小学生がやるべきこと
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冬の守備練習は「1に基本、2に基本、3に基本」。ただし、ただ捕るだけではなく、足の速いランナーをアウトにするまでの流れを1球1球考えながら繰り返すこと。短い目標とゲーム感覚でやる気を保ち、体を温めてから、水分補給も忘れずに。この冬の積み重ねが、春の守備にそのまま表れます。