メンタル守備・技術

守備を”言葉にできる子”は、伸びるスピードがまったく違う

守備が伸びていく子には、共通点があります。

技術でも、体格でも、センスでもない。

ぼくがずっと気になっていたことで、100人以上の選手と関わる中でようやく確信を持てたことがあります。それは——プレーを言葉にできる子は、伸びるスピードがまったく違うということです。

「なんとなく」では伸びない

レッスン中に子どもたちによく聞く質問があります。

「今のプレー、どうだった?」

伸び悩んでいる子の答えは、だいたいこんな感じです。

「普通」「わからない」「うーん、たぶん大丈夫だった」

逆に、成長が早い子の答えはこうです。

「ファーストステップが遅かったと思います」「ボールが来た瞬間、少し迷いました」「グローブの出し方が下すぎた気がします」

同じプレーを見ていても、言語化できる子とできない子では、頭の中で処理している情報量がまるで違います。

なぜ言語化が成長を加速させるのか

「言葉にできる」ということは、「自分のプレーを客観的に見られている」ということです。

自分の動きを客観的に見られれば、「何がよくて、何が悪かったのか」が分かる。それが分かれば、「次に何を直せばいいか」が具体的になる。

「ファーストステップが遅かった」と言える子は、次の練習で「ファーストステップを速くすること」にフォーカスできます。

「なんとなくうまくいかなかった」で終わる子は、何を直せばいいかわからないまま練習を繰り返します。同じ時間練習しても、上達の効率がまったく違うんです。

ビデオが「気づき」を生む

ぼくがレッスンでよく使う方法が、スマホでの映像撮影です。

プレーを撮って、すぐ見せる。すると子どもたちは決まってこう言います。

「えっ、こんなに足が止まってたの?」「グローブがこんなに高い位置にあった」「体がこっちに向いてたんだ」

自分の「感覚」と「実際の動き」のギャップを、子どもは映像で初めて認識します。

このギャップに気づいた瞬間が、成長のスタート地点です。

気づいていない子は変われない。気づいた子は自分から変わり始める。

親御さんが使える「3つの質問」

家でも、試合後でも、子どもの言語化力を育てる質問があります。

「今日のプレー、どうだった?」

最初は「普通」「わからない」と返ってくるかもしれません。それでいいです。「どの場面が一番印象に残ってる?」と続けてみてください。

「何がよかった?」

うまくいった場面を言語化させる練習です。「なんとなくよかった」ではなく、「どこがどうよかったか」を引き出す。最初は難しくても、続けることで子どもは自分の「強み」を言葉にできるようになります。

「次は何を意識する?」

反省ではなく、次へのフォーカス。「何がダメだったか」ではなく「次は何をするか」という問いが、子どもの思考を前向きにします。

ミスのあとにこの質問をするだけで、子どもの次のプレーへの取り組み方が変わります。

言語化できる子は、コーチの指示も吸収が早い

言語化力が高い子はもうひとつ強みがあります。コーチの言葉の「受け取り方」が違うんです。

「ファーストステップを速くしよう」というアドバイスを聞いたとき、言語化できる子は「今の自分はどこが遅いのか」と自分のプレーに当てはめて考えます。

一方、言語化が苦手な子は「速くしなきゃ」という漠然とした指示として受け取るだけで、具体的に何を変えればいいかが結びつかない。

同じ指示でも、吸収の仕方がまるで違う。だから伸びるスピードも変わります。

まとめ

守備を「言葉にできる子」は伸びが早い。これはぼくが現場で見てきた確かな事実です。

難しい技術練習よりも、「今のプレーどうだった?」というひとことから始めてみてください。

言語化する習慣が、子どもの成長を加速させます。

うえちコーチについて

元甲子園球児(犠打9・大会記録保持)/内野守備パーソナルコーチ・スポーツメンタルトレーナー/現役消防士・3児のパパ。100人以上の選手と向き合ってきた現場経験から「すぐに実践できて、今日から変わる1つ」をお届けします。

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