スポーツメンタルトレーナーとして活動しながら、こんな告白をするのは恥ずかしいかもしれません。
でも正直に書きます。
昨日、自分の子に強く当たってしまいました。
「わかっているのに、できない」という苦しさ
ぼくは仕事として、少年野球の子どもたちに「感情のコントロール」「気持ちの立て直し方」「プレッシャーとの向き合い方」を教えています。
「ネガティブな気持ちを否定しない」「まず受け入れる」「深呼吸して落ち着かせる」——これらをレッスンで伝えながら、自分は昨日、自分の子どもに怒鳴ってしまいました。
教えている内容と、実際の自分がこれほど違うのか、と。
少し落ち込みました。
なぜ「自分の子」だけは難しいのか
他の子どもたちには、ゆっくり見守れる。多少時間がかかっても、その子のペースを尊重できる。
なのに、なぜ自分の子にはそれができないのか。
しばらく考えて、正直に気づきました。
「自分の子」には、期待と不安が入り混じっているんです。
「ちゃんと育てなければ」「俺の子なんだから、これくらいできるはず」「このままじゃ将来が心配」——こういう「親の都合」が、指導者としての視点を狂わせます。
他の子のペースは尊重できるのに、自分の子には「もっとできるはず」「なんでできないんだ」という気持ちが先に出てしまう。
これは「指導者として未熟」なのではなく、「親であることの難しさ」だとぼくは思っています。
メンタルを学ぶことは「感情をなくすこと」ではない
スポーツメンタルのトレーニングを積んでいると、周りからこう思われることがあります。
「メンタルが強い人は、怒らない」「感情がコントロールできている人は、常に冷静」と。
でも違います。
メンタルのトレーニングとは、感情をなくすことではなく、感情との付き合い方を学ぶことです。
怒りを感じることは、人間として自然なことです。問題は「怒りを感じた瞬間に、どう行動するか」です。
昨日のぼくは、怒りを感じた瞬間に、感情のまま言葉にしてしまった。それが間違いでした。
でも、「昨日は失敗した。次はどうしようか」と今日振り返れているなら——それは確かに、少し成長している証拠です。
「完璧な親」はいない
ぼくがコーチとして、そして親として最近強く思うことがあります。
「完璧な親でいなくてもいい」ということです。
子どもの前で失敗する。感情的になってしまう。後で謝る。そのプロセス自体が、子どもへの教育になります。
「大人も間違える。でも気づいて謝れる」という姿を見せることは、子どもが失敗したときの「立ち直り方のモデル」になります。
親が「完璧でなければならない」というプレッシャーを持つと、子どもにもそれが伝わります。「完璧でなければ」という空気の中で育つ子は、ミスを極端に恐れるようになっていきます。
これからやること
正直に言うと、これからも自分の子に強く当たってしまう日はあると思います。
でも、こういうことを意識しています。
自分の子の「コーチ」をやめる。 守備のアドバイスをするのは、プロのコーチに任せる。親としてできることは、そのコーチへの信頼を伝えること。
野球への興味のなさを受け入れる。 正直、うちの子は野球にそこまで熱心じゃないかもしれない。でも「自分の子だから野球が好きなはず」「熱心でいてほしい」という押しつけをやめる。
技術より関係性を優先する。 どれだけうまくなるかより、「一緒にご飯を食べながら笑える」「なんでも話せる親子関係」の方が、長期的にはずっと大事だと思っています。
まとめ
スポーツメンタルを学んでいるのに、昨日は自分の子に強く当たってしまった——このことを正直に書いたのは、同じように悩んでいる親御さんにも知ってほしかったからです。
「わかっているのにできない」という苦しさは、みんなが経験することです。
完璧な親はいない。でも、気づいて、謝って、次に生かすことはできる。それだけで、子どもとの関係は少しずつよくなっていきます。
うえちコーチについて
元甲子園球児(犠打9・大会記録保持)/内野守備パーソナルコーチ・スポーツメンタルトレーナー/現役消防士・3児のパパ。100人以上の選手と向き合ってきた現場経験から「すぐに実践できて、今日から変わる1つ」をお届けします。